真空ポンプ セレクションガイド
真空ポンプを選定するには、まず必要となる排気速度を見積った上でさらにその用途に適した種類の中からポンプを選ぶことが大切です。各種ポンプの用途、特長、性能を一覧にしました。ご使用目的に合わせてお選び下さい。
圧力単位（Pa）
カタログを印刷・
保存する
保存する
スパッタイオンポンプ
PST シリーズ
PST
アルバック
スパッタされた活性チタンによるゲッター作用を利用した、超高真空領域での排気特性を強化したポンプです。
新型素子と磁場の最適化を図ることにより、極・超高真空領域での排気特性を向上させています。
新型素子と磁場の最適化を図ることにより、極・超高真空領域での排気特性を向上させています。
特長
- 極・超高真空対応。ISO規格のテストドームをつけて10-9Pa台の到達圧力を実証。
- 希ガス排気強化型（AU型）はアルゴンに対し2倍の排気性能を実現。（当社比）
- 超高真空領域において大きな排気速度を実現。
- 短時間で超高真空領域まで排気可能。
- 超高真空領域における優れた起動特性。（放電が超高真空領域まで持続）
用途
- 加速器
- 電子顕微鏡
- 電子線描画装置
- 振動を嫌う分析装置
- 極・超高真空環境の利用など
仕様
| 型式 | PST-030CU | PST-030AU | PST-050CU | PST-050AU | PST-100CX | PST-100AX | |
| 排気対象ガス | 活性ガス | 希ガス | 活性ガス | 希ガス | 活性ガス | 希ガス | |
| 再生排気速度* | 0.03m3/s N2ガス測定時 |
0.013m3/s Ar測定時 |
0.045m3/s N2ガス測定時 |
0.016m3/s Ar測定時 |
0.10m3/s N2ガス測定時 |
0.05m3/s Ar測定時 |
|
| 到達圧力 | 10-9Pa | ||||||
| 動作圧力 | 推奨値 | <8.0×10-3Pa | <5.0 x 10-3Pa | ||||
| 内容積 | 0.67 X 10-3m3 | 1.3x10-3m3 | 3.3x10-3m3 | ||||
| ポンプ素子数 | CU型セル×1式 | AU型セル×1式 | CU型セル×1式 | AU型セル×1式 | CX型セル×1式 | AX型セル×1式 | |
| 接続フランジ型式 | UFC070 | UFC114 | UFC152 | ||||
| 印加電圧 | DC+7.5kV | ||||||
| 加熱ヒータ | 設定なし | 単相AC200V, 300W | 単相AC200V, 320W | ||||
| 標準ベークアウト 温度 |
250℃ | ||||||
| 質量 | 9.5 kg | 12kg | 37kg | ||||
| 外形寸法 W×D×H | 103×183×187 mm | 153×204×241mm | 155×336×340mm | ||||
| 使用環境 | 温度範囲 | 5~40℃ | |||||
| 湿度範囲 | 85%以下(結露なきこと) | ||||||
| ポンプ 固定ボルト穴寸法 |
4か所-M5 深さ10mm |
4か所-M8 深さ6mm |
|||||
| 推奨コントローラ | GST-07L-B | ||||||
*GST-07Lコントローラ使用時
| 型式 | PST-110AU | PST-200CXII | PST-200AXII | PST-400CXII | PST-400AXII | |
| 排気対象ガス | 活性ガス | 活性ガス | 希ガス | 活性ガス | 希ガス | |
| 再生排気速度* | 0.11m3/s N2ガス測定時 |
0.2m3/s N2ガス測定時 |
0.02m3/s Ar測定時 |
0.36m3/s N2ガス測定時 |
0.19m3/s Ar測定時 |
|
| 到達圧力 | 10-9Pa | 10-10Pa | ||||
| 動作圧力 | 推奨値 | <4.5x10-3Pa | <3.8x10-3Pa | <3.0x10-3Pa | ||
| 内容積 | 6.5x10-3m3 | 11x10-3m3 | 14x10-3m3 | |||
| ポンプ素子数 | AU型セルx2 | CX型セル×2式 | AX型セル×2式 | CX型セル×4式 | AX型セル×4式 | |
| 接続フランジ型式 | UFC152 | UFC203 | ||||
| 印加電圧 | DC+7.5kV | |||||
| 加熱ヒータ | 設定なし | 単相AC200V, 600W | 単相AC200V, 800W | |||
| 標準ベークアウト温度 | 250℃ | |||||
| 質量 | 36.5kg | 65kg | 124kg | |||
| 外形寸法 W×D×H | 171×387×293mm | 296×361×376mm | 296×544×376mm | |||
| 使用環境 | 温度範囲 | 5~40℃ | ||||
| 湿度範囲 | 85%以下(結露なきこと) | |||||
| ポンプ固定ボルト穴寸法 | 4か所-M6 深さ15mm |
4か所-M8 深さ15mm |
6か所-M8 深さ15mm |
|||
| 推奨コントローラ | GST-07L-B | |||||
*GST-07Lコントローラ使用時
PSTシリーズ用コントローラ
| 型式 | GST-07L-B | ||
| 入力仕様 | 入力電圧・電流 | AC100～115V±10% ・ 50/60Hz～3.0A | |
| AC200～240V±10% ・ 50/60Hz～1.5A | |||
| 漏洩電流 | 6mA以下 | ||
| 入力電圧切替方式 | 手動(電源内部ディップスイッチによる操作) | ||
| 出力仕様 | 定格電圧 | DC +7.5kV(約1.0~7.5kVボリューム可変) | |
| 定格電流 | DC30mA以下 | ||
| 出力極性 | 正極性 | ||
| 出力特性 | 定電圧特性 | ||
| 表示方式 | デジタル表示 （７セグメントLED表示） | ||
| 表示内容 | 出力電流表示範囲 | 1μA~30mA(mA, μAの2レンジ自動切替) | |
| 出力電圧表示範囲 | DC0.0～7.5kV | ||
| 圧力表示 | Pa表示 | 1×10-8～1×10-2 | |
| mbar表示 | 1×10-10～1×10-4 | ||
| 圧力セットポイント | 2点 | ||
| 保護機能 | エラー表示/各種保護機能搭載 | ||
| 表示点灯で高電圧(HV)出力遮断(Err. 0～8) | |||
| 停電後の復帰 | HV-ONスイッチがONの状態の時、停電後自動復帰可能 | ||
| 外部制御機能 | 各種入力機能付(REMOTEコネクタ付)、RS232C通信制御搭載 | ||
| MONITOR端子出力信号 | パネル７セグメント表示に比例した信号を出力、各レンジDC0～10VF.S. | ||
| 許容負荷インピーダンス100kΩ以上 | |||
| REMOTE/LOCAL | 前面パネルスイッチにより切替 | ||
| 冷却方式 | 強制空冷方式 | ||
| 質量 | 本体 | 4.0kg | |
| 外形寸法 | W×H×D | 200 x 99 x 370mm(ラック取付金具除く) | |
| 使用環境 | 温度範囲 | 0～40℃ | |
| 湿度範囲 | 85%以下(結露なきこと) | ||
| 適合規格 | CE, cTUVus | ||
排気速度曲線
 |
|
 |
|
|
|
寸法図
|
|
|
|
|
|
スパッタイオンポンプにおいて、出力ケーブルを連結延長しても問題ありませんか？
高電圧の為、推奨できません。標準長５mから５m刻みで最長65mまでオプション対応していますので、必要長の出力ケーブルを手配ください。
スパッタイオンポンプの出力ケーブルの耐熱温度を教えてください
250℃となります。
スパッタイオンポンプを2台並べて使用しても問題ありませんか？
並べて設置しても、ポンプ同士に影響を与える程の磁場は発生していないため、特に問題はありません。
真空ポンプは屋外で使用できますか？
屋内での使用を想定して設計しているため、基本的には屋外では使用できません。
真空ポンプの排気スピードはどうやって計るのですか？
排気速度Sは導入している気体の流量Qを圧力Pで割ることによって求められます。
（S=Q/P)
真空ポンプは多くの種類がありますが、それぞれのポンプがどの圧力領域で使用することができるのか教えてください。
詳細をまとめたページがございますのでリンク先をご覧ください。
https://showcase.ulvac.co.jp/ja/how-to/selection-guide/vacuum-pump-guide.html
真空ポンプ セレクションガイド
ドライ真空ポンプ
ドライポンプは、油や液体を真空室内に使用しない真空ポンプのため、クリーンな真空が得られます。大気圧から到達圧力までの広範囲で使用可能です。
アルバックのドライポンプは、研究・開発・生産用途に適したハードプロセス対応モデルからライトプロセスモデルまで幅広いラインナップがあります。
使用目的・用途・アプリケーションからお選び頂けます。
どのくらいまで減圧したいか、真空槽の中で何がしたいかによって、お勧めする真空ポンプが変わってきます。
また真空にしたい空間の大きさによって真空ポンプの大きさも変わってきます。
使用目的・用途・アプリケーションからお選び頂けます。
どのくらいまで減圧したいか、真空槽の中で何がしたいかによって、お勧めする真空ポンプが変わってきます。
また真空にしたい空間の大きさによって真空ポンプの大きさも変わってきます。
油回転真空ポンプ（大型）
油回転真空ポンプは、真空ポンプ油を使うことにより回転部の動きを滑らかにしたり、真空封止して気密性を高めることで高い排気性能を実現します。安価、コンパクト、据え付けが容易、油回転真空ポンプ単体で容易に真空が得られるなど、経済性・操作性に優れたポンプです。
アルバックの油回転真空ポンプは、多種多様な使用用途に応じた幅広いラインナップがあります。
使用目的・用途・アプリケーションからお選び頂けます。
油回転真空ポンプ（小型）
小型油回転真空ポンプは、200L/min以下シェアNo1メーカーのアルバック機工社製のポンプです。
どのくらいまで減圧したいか、真空槽の中で何がしたいかによって、お勧めする真空ポンプが変わってきます。
ULVACは、極・超高真空領域での排気特性を強化した新型素子（アクター素子） の開発と磁場の最適化を図ることにより『アクターポンプ PSTシリーズ』を開発しました。
- 小型油回転真空ポンプ Gシリーズは、コストパフォーマンスに優れたベーシックなシリーズです。
- 小型油回転真空ポンプ GHD / GLD / GKSシリーズ（スタンダードタイプ）は、サーマルプロテクター搭載に逆流防止機構を付加した当社推奨のポンプです。
- 小型油回転真空ポンプ GCDシリーズ（耐食型）は、接ガス部面に表面処理を施した油回転真空ポンプのケミカルタイプです。
メカニカルブースタポンプ
メカニカルブースターポンプは、油回転ポンプやドライポンプなどの粗引きポンプと組み合わせることにより、粗引きポンプの排気速度が落ち込む圧力領域において排気速度を大幅にアップさせることができます。
アルバックのメカニカルブースタポンプは、多種多様な用途に応じた幅広いラインナップがあります。使用条件によって空冷でもご利用いただけます。
ターボ分子ポンプ
ターボ分子ポンプは、分子流領域において排気速度が一定で、連続したガス排気が可能です。また、再生作業などの保守の必要が無く、水素・ヘリウムに対して高い排気性能を実現します。
スパッタイオンポンプ
スパッタイオンポンプは超高真空の発生に利用される代表的なポンプのひとつです。
イオン真空ポンプは、陽極と陰極で構成されたポンプセルに電場を印加する簡単な動作原理のため、機械的振動や騒音なく 超・極高真空を得られます。また、広く分析機器、加速器等に使用され完全オイルフリーで取り付け方法を選びません。
イオン真空ポンプは、陽極と陰極で構成されたポンプセルに電場を印加する簡単な動作原理のため、機械的振動や騒音なく 超・極高真空を得られます。また、広く分析機器、加速器等に使用され完全オイルフリーで取り付け方法を選びません。
ULVACは、極・超高真空領域での排気特性を強化した新型素子（アクター素子） の開発と磁場の最適化を図ることにより『アクターポンプ PSTシリーズ』を開発しました。
真空ポンプにはどのような種類がありますか？
真空ポンプにはどのような種類がありますか？
一般にポンプとは流体に圧力や速度などを付与しながらこれを輸送する装置をいいます。
真空技術でいうポンプの場合は、これよりももっと広い意味が与えられています。
この一般的なポンプの定義のとおり、真空装置内の気体をより高い圧力の外部へ輸送し、排出するものがあります。たとえば、油回転真空ポンプやメカニカルブースタポンプのような機械式真空ポンプ、あるいは油拡散ポンプやエゼクタポンプのような蒸気噴射式真空ポンプです。ほかに気体を外部に運び出すのではなく、ただ気体分子を捕えてしまうだけのものがありますが、これは気体に対して受動的であり、厳密にはポンプとはいえないかもしれません。
これらにはゲッタ作用を利用した真空ポンプや低温における吸着、凝結作用を利用した真空ポンプなどがあります。
つまり真空ポンプとは、気体を除去する機能をもつ装置であるということができます。作動原理によって真空ポンプを大別すると気体輸送式真空ポンプ、気体溜込式真空ポンプになります。
これらの真空ポンプの種類をまとめると図のようになります。
真空ポンプの種類
