オプション

スニッファーユニットシリーズ

BT9

アルバック

被検査物内部をHe(ヘリウム)で加圧し、漏れている箇所にプローブを接近させて探す方法に使われるユニットです。

仕様

型式 AS9 BS9 BT9
検出ガス 4He
リーク量表示範囲[Pa・m3/ sec] 0.01E-8~E5台 0.01E-7~E3台
吸込み量[SLM] < 0.03 約 3
吸込み口形状 ハンディプロープ Φ 6mm ホース継ぎ手
付属ホース[m] 1-10(*1)
スニッファプローブの選定方法

HELIOTは、スニッファユニットをオプションで用意いただければ、スニッファ法でのリークテストが可能です。
初代の300シリーズから2種類のスニッファユニットをラインナップしています。
スニッファプローブタイプとブースターユニットタイプです。

タイプによる簡単な違いは下の表をご覧ください。

スニッファユニット タイプ表

オプションタイプ 方式 最小可検リーク量 最大可検リーク量 特徴
スニッファプローブタイプ
(HELIOT900のオプション型式:AS9)
大気~真空 差圧吸引 E-9(Pa・m3/s) E-3(Pa・m3/s) ・最小可検リーク量が小さいので小さい漏れ測定が可能
・差圧吸引なので吸引量が少ない
ブースターユニットタイプ
(HELIOT900のオプション型式:BS9)
ブースターポンプによる差動排気 E-7(Pa・m3/s) E-2(Pa・m3/s) ・最小可検リーク量が大きいので小さな漏れ試験は比較的不向き
・差動吸引なので吸引量が多い

どちらを購入するべきか検討されている場合は、スニッファ法でリークテストしたいものや状況、測定したい流量などで選択してみてください。
もし迷うようであればお気軽にお問い合わせください。

校正リークの型式の違いと意味
チャネル型

 CLC-04A=Calibration Leak Chanel E-04(Pa・m3/s) A(バージョン)

  ラインナップ:CLC-04A ・ CLC-05A ・ CLC-06A



メンブレン型
 CLM-08A=Calibration Leak Membrane E-08(Pa・m3/s)      
  A(ボールバルブ付き) or AY(07のみ 内圧運送対応品) or AZ(09のみ 内圧運送対応品) or V(電磁弁付き) ※CLM-08 CLM-10は元々内圧運送対応品 
  
  ラインナップ:CLM-07AY / 07V ・ CLM-08A / 08V ・ CLM-09AZ ・ CLM-10A
HELIOT900シリーズのオプション製品一覧

HELIOT900シリーズの仕様

model901W1901D2904W2904D3904D4
ボディタイプポータブルモバイルカート
最小可検リーク量UltraPa・m3/sec<5E-13
表示下限UltraPa・m3/sec0.01E-12(<2Pa)
FinePa・m3/sec0.01E-10(<100Pa)
最大接続圧力GrossPa1200
テストポート
排気速度(He)
UltraL/sec5(<2Pa)
FineL/sec1(<100Pa)5(<100Pa)
粗引きポンプ:
排気速度(50/60Hz)
油回転L/min30/36135/162
スクロールL/min90/108250/300500/600
質量kg約33約37約79約74約96
表示機7inchタブレット型産業用コンピュータ (無線規格:IEEE 802.11 b/g/n)
表示機操作範囲有線ケーブル長:2m(標準付属),5m(Option)
無線40m
表示機バッテリ駆動時間(無線)3-8hr
適合規格CE, IP30CE
入力電圧V100-120 or 200-240
使用環境温度10-40

オプション製品一覧

配管やフレキシプルホースなど掲載のない製品の取扱いもあります。詳しくは弊社営業担当者へお問い合わせください。

スニッファーユニット(ホース長は1m-10mでご指定ください)
ph-heliot-900-01.jpgASユニット
ph-heliot-900-02.jpgBSユニット
ph-heliot-900-03.jpgBTユニット

カート・ケース
ph-heliot-900-04.jpgフロアーカート:901用
ph-heliot-900-05.jpgコントローラ保管ボックス ※901はフロアーカートが必要です
ph-heliot-900-06.jpgBTユニット:901用 ※フロアーカート仕様は収納不可

オイルミストトラップ
ph-heliot-900-07.jpgWS用オイルミストトラップ

コントローラー周辺機器
ph-heliot-900-89.jpgコントローラケーブルセット5m
ph-heliot-900-10.jpgコントローラ充電器(入力電圧:100-240V)
ph-heliot-900-11.jpg絶縁手袋対応タッチペン
ph-heliot-900-12.jpgセキュリティワイヤーセット(切断アラーム付きワイヤー + 本体取付金具)※錠は含まず
ph-heliot-900-13.jpgダイヤル錠(管理者用マスターキー付き)
battery-01.jpgコントローラ用バッテリ
battery-02.jpgバッテリ充電器

パネルマウントディスプレイ

display-02.jpg

display-01.jpg

パネルマウントディスプレイ

HELIOT900シリーズ+consoleユニット

heliot-901.jpg

heliot-901-2.jpg

HELIOT900シリーズ+consoleユニット

校正リーク
ph-heliot-900-15.jpgメンブレン型校正リーク:E-7、E-8、E-9、E-10[Pa・m3/sec]
ph-heliot-900-16.jpgチャネル型校正リーク:E-4、E-5、E-6[Pa・m3/sec]

周辺機器
ph-heliot-900-17.jpgL型手動バルブ:NW25-NW25
ph-heliot-900-18.jpgヘリウムスプレーガン
ph-heliot-900-19.jpg減圧弁(日本国内ヘリウムボンベ用)
ph-heliot-900-20.jpgテストチャンバ:内寸Φ96mm × H30mm
ph-heliot-900-21.jpgボンビングタンク:内寸Φ95.5mm × H160mm、使用圧力範囲:<0.5MPaG
配管類:変換配管(I型、T型、+型)、フレキシブルホース、クランプ類、他各種

インターフェイス
I /O コネクターセット:Rec.Out、EXT I /O
ph-heliot-900-22.jpg信号変換器:300series用
ph-heliot-900-23.jpg電源ケーブル変換ケーブル:700シリーズ用、300シリーズ用

消耗品
ph-heliot-900-24.jpgイオンソース
ph-heliot-900-25.jpgピラニ測定子
ph-heliot-900-26.jpgマイクロセパレータ:BS、BT用
空冷ファンフィルタ:パネル用
空冷ファンフィルタ:電気系用
ベントラインフィルタ
オイルミストトラップエレメント:W1内臓OMT用
ポンプオイル:W1用、W2用

ドキュメント
取扱説明書:CD-R、冊子(普通紙/無塵紙)
トレーサビリティ証明書:校正リーク, HELIOT本体
一般校正試験証明書:校正リーク, HELIOT本体
トラブルシューティング リークディテクタ

Step1.クリーンナップ&エージング

CleanUpを実施して「テスト状態」で暫く放置してみます。多量のHeを吸い込んだ後の影響であれば回復します。

Step2.治具シール部のチェック

テストポート、治具のフランジ面、Oリングに傷や異物付着がないかをチェックします。外部リークがあると、BGが下がりません。

Step3.イオンソース交換

フィラメント劣化、電極板の汚れなどが原因であれば、一体型イオンソース交換で感度回復できます。起動データ画面で感度の回復を確認できます。

Step4.OIL交換(油回転ポンプモデル)

OIL不足、白濁(水混入)などの状態は、バックグラウンド上昇の原因となります。

Step5.メーカーによる点検整備

排気系、分析管O/H、リーク等をtotalで点検整備を行います。

malfunction.jpg

無料ダウンロード | リークテストの基礎ガイド

リークテストをより正確にする必携書!
『リークテスト基礎ガイド』のススメ

ヘリウムガスを用いたリークテストを日頃、携わっておいででしょうか?

ヘリウムリークテストは微小な漏れを比較的短時間で簡便に、しかも定量的に評価できる手法です。その利便性から、食品・医薬品パッケージや半導体から自動車・航空機、更には宇宙工学、原子力工学に至るまで幅広い分野に利用されています。

ヘリウムリークディテクタは今から80年ほど前に開発されました。現在ではタッチパネルの簡単な操作で合否判定まで行える全自動機が主流となりました。

長い歴史の中で様々な開発、改善、改良がなされましたが、漏れ箇所の特定、漏れ量の測定や許容漏れ量の検討には「漏れ」に対する正しい知識と理解は必要不可欠です。

アルバックはお客様に業務をより効率的に、正確に、そして快適に遂行していただきたい思いから、「漏れ」に対する基本知識を簡潔にまとめました。

『リークテストを始める前に必ずおさえておきたい、リークテストの基礎ガイド』をダウンロードできるのは、こちらのページだけ。

このコンテンツに含まれるもの

  • 漏れの基礎 (1) | 漏れの定義
  • 漏れの基礎 (2) | 漏れの基本式と単位
  • 許容漏れ量のもとめ方 (1) | 時間経過による圧力変化からの計算方法
  • 許容漏れ量のもとめ方 (2) | 真空排気による到達圧力からの計算方法
  • 応答性の計算方法 |リーク量の応答と時定数τ
  • システム感度校正の手法
  • ガス濃度による漏れ量の違い
  • 感度校正 (1) | 感度校正の仕組み
  • 感度校正 (2) | 機器の感度と測定値の関係

漏れの定義と単位

ヘリウムリークディテクタは、ヘリウムガスを使用した漏れ検査(以下、ヘリウムリークテスト)において、漏れ量や漏れ箇所の特定を行うための検査装置です。ヘリウムリークテストは、漏れ検査の中でも感度的に最も優れ、かつ微小な漏れに対しても短時間で精度よく検査ができるため、各種配管構造の部品全般、電子デバイス、空調、冷凍機、自動車関連などの生産ラインをはじめ、食品・薬品包装、医療機器など、漏れ検査が必要とされるあらゆる分野で使用されています。

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■ 漏れの定義
壁の孔を通って気体が移動する現象

■ 漏れの単位
Pa・m3/sec (パスカルリューベパーセック)

  • 単位時間[sec]に移動した気体体積(絶対圧力[Pa]×容積[m3])
  • ごく小さい値なので一般的に有効桁数2~3桁の指数で表記 (*.**E-*Pa・m3/sec)
  • 計算記号はQ

他の流量単位との換算

Pa・m3/sec mbar・l/sec Torr・l/sec atm・cc/sec lusec sccm slm Mol/sec
1 10 7.5 9.87 7500 592 0.592 0.000441

・Torr, atm はSI単位系でないので日本国内では使用不可
・例えば2.5E-8Pa・m3/secの場合には、口頭では「2.5の8乗」と省略される場面が多い。

■ 産業別の検査レベル(目安)

Q [Pa・m3/sec] E-3 〜 E-5 E-5 〜 E-7 E-9 〜 E-10 E-11 〜 E-12
対象 水道管
ガス管
空調
熱交換器
コンプレッサ
自動車部品
真空部品 原子力
宇宙関連

リークテストとは

ヘリウムリークテスト

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リークディテクタを使用し真空中のヘリウム分圧の変化から漏れを検知する測定方法をヘリウムリークテストといいます。
他の検査方法が、体積、圧力、真空度などで判断するのに対し、作業者のスキルに依存することなく圧倒的な高感度・高精度が得られます。
漏れが小さくなっても、判定時間を長く取る必要はないので早い検査が可能です。
また、ヘリウムガスは安全で不活性、環境にも優しいクリーンな検査ができます。

ヘリウムリークテスト以外のリークテスト

(1)加圧テスト

(a)加圧放置法 (b)差圧法(AirLeak) ©水没法
空気圧に締切り、圧力降下で全体の漏れ量を確認 空気加圧後締め切り、模擬リークWorkとの圧力降下を比較 空気加圧し水中で気泡を確認

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(d)水圧法 (e)石鹸水塗布法 (f)ハゲロンガスプローブ法
水圧をかけて水漏れを確認 空気加圧してバブル(気泡)の目視検査 冷媒ガスで加圧して、ガス検出器を使用

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(g)染色浸透探傷検査
浸透液(有色)を空気と一緒に加圧し、目視検査

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(2)真空テスト

(h)真空放置法(ビルドアップ) (i)液塗布法(アルコールチェック)
真空排気し締め切り、圧力上昇で全体の漏れ量チェック
漏れ箇所の特定は不可
真空排気をしながら、アルコール等を塗り到達圧力の変化をチェック
漏れ箇所探しの手法

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各リークテスト方法の特性比較

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■ 各検査方法の特徴

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ヘリウム漏れ試験方法

ヘリウム漏れ試験方法は「JIS-Z2331」により、代表的な手法が規定されています。

(1)真空吹付け法(スプレー法)

・試験体内を真空排気し、吹付けプローブを用いて試験体外側にヘリウムガスを吹付け、試験体内に漏れてきたヘリウムガスを検出する方法。

・微小漏れ箇所の検出に最適であり、比較的小さな漏れの検出に適用するが、試験体全体の漏れ量の定量化が必要な場合は、真空外覆法の採用が望ましい。

testmethod1.jpg

(2)真空外覆法(真空フード法)

・試験体内部を真空に排気し、試験体外側をフードで覆い、フード内にヘリウムガスを満たし、試験体内に漏れてきたヘリウムガスを検出する方法。

・真空排気可能な試験体全体のリークを見落としなく検出し、漏れ量の定量化ができるが、漏れ位置は特定できないので、漏れ位置の特定が必要な場合は、真空吹付け法を用いる。

testmethod2.jpg

(3) 吸込み法(スニッファー法)

・試験体内部をヘリウムガスで加圧し、漏れ箇所から外部に漏れるヘリウムガスを、リークディテクタに接続した吸込みプローブで吸引し、漏れを検出する方法。

・次に示すような漏れ位置を特定するのに有効な方法である。
 ・大気圧より高い圧力で漏れ検査を実施する場合
 ・形状が複雑で試験箇所を被覆できない場合
 ・加圧積分法で大きな漏れがある場合で、その漏れ位置を特定する場合

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(4)加圧積分法

・試験体をヘリウムガスで加圧し、漏れ箇所から外部に漏れるヘリウムガスを、試験部を覆ったフード(被覆材料)で捕集し、これをリークディテクタに接続したスニッファープローブで吸引し検出する方法。

・漏れたヘリウムガスを一定時間ため込み、濃度を上げる方法のため、吸込み法に比べ小さな漏れの検出に有効である。また、大気圧より高い圧力で高精度で漏れ検査を実施する場合に適している。

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(5)吸盤法(サクションカップ法)

・試験体を部分的に真空にして行う方法。

・大型真空容器、その他圧力容器などで、製作過程や製品の状態によって全体を真空や加圧することができない場合に適用できる。

・適用例
 ・大型の真空容器の製作過程での行程中確認検査
 ・局部的な漏れ有無の確認検査

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(6)真空容器法(ベルジャー法)

・試験体を真空容器(ベルジャー)の中に入れ、その外周を真空に排気し、検査品の内部を大気又はそれ以上にヘリウムガスで加圧し、漏れを検出する方法。

・真空法と同様な高い検出感度を得る事が出来るので、加圧法におけるスニッファー法及び加圧積分法と比較して、高い検出感度を要求する場合に適用する。ただし、漏れ位置を知ることができないため、漏れ位置を知る事が必要な場合はその他の検査法を検討しておく必要がある。

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(7)浸せき法(ボンビング法)

・試験体をボンビング(加圧)タンク内に入れてヘリウムガスで一定時間加圧放置した後、それを取り出し、真空チャンバー内で試験体外側を真空排気する。もし、試験体にリークがあればヘリウムガスの加圧時に幾らかのヘリウムガスが試験体の中に入り、これが真空中に出て来る。これをリークディテクタで検出し、漏れが見つける方法。

・内部空間が真空又は空気若しくはガスで充填された密閉容器(例えば、パッケージIC、水晶振動子など)の封止効果又は気密性を判定する方法として適用する。

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(8)微圧法(※)

・圧力差に弱い製品に対し、ULVACではプリケーションの開発に取り組み、各方面で実績を積んでいます。ヘリウムにより高精度かつ高速な検査を実施する事が可能となっています。

吸引ポンプを使用したスニッファー法に近い排気系から構成され、LD接続圧力以上の高い圧力条件でのテストを可能にしました。圧力は任意で設定が可能です。


〇密閉品への応用例:薬品包装、医療用包装など

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〇吹付け法への応用例:圧力差に弱い容器など

testmethod9.jpg

(※)微圧法はULVAC の造語です

テスト方法の決め方

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(※)微圧法(ULVACの造語):圧力差に弱いWork向けのULVACアプリケーション

ヘリウムリークディテクタの原理と構造

(1)ヘリウムガス特性

特性 利点
1 大気中の含有量が少ない(5ppm) バックグラウンドが小さい
2 質量数4のイオンとなる 質量分析で他ガスとの識別が容易
3 分子直径が小さい 小さな孔を通り易い
4 毒性なし、引火性なし、不活性 様々な現場、環境、製品に対し安全に使用できる
5 吸着エネルギーが小さい 一旦進入しても排気し易い
6 非フロン系ガス 地球環境へのダメージがない

(2)機器構造

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ANALYZER:分析管
TMP:主排気ポンプ
FV:フォアラインバルブ
FP:補助兼、粗引きポンプ
TV1:微小リーク用テストバルブ
TV2:小リーク用テストバルブ
TV3:大リーク用テストバルブ
TEST PORT:Work接続口
PG:ピラニ真空計
CAL:校正リーク
CLV:校正リーク、ベントバルブ
VV:ベントバルブ
VENT PORT:大気圧戻し口

(3)分析管

磁場偏向型質量分析

img-heliot-23.png



① イオン生成(イオンソース)
・分析管に到達した気体分子がフィラメントの熱電子により+電荷のイオンに変換
・加速電圧により、一方向に加速移動
② イオン選別
1. +の電荷を持ったイオンが磁場を通過する事で軌道が曲がる『フレミングの左手の法則』現象
2. この時点で気体毎の質量により軌道が分かれる
・He(質量数4)が中心軌道に調整
・質量数3は自然大気中に極めて少ない、質量数5は存在しないので、質量数4の識別が容易

③ イオン収集(イオンコレクタ)
1. +の電荷を持ったHeイオンのみ電極板に到達
2. Heイオンの量に応じた微弱電流が流れる

img-yajirushi-down-01.pngのサムネイル画像

真空中のHe分圧レベルに応じてイオンコレクタの電流値が変動する

(4)主排気真空ポンプ

複合分子ポンプの採用と逆拡散現象による効果
分析管の圧力は維持しながら、テストポートをより高い圧力で接続することができる。

img-heliot-15.png

※逆拡散現象:Heなど排気し難い小さな気体分子の一部が分子ポンプを介して分析管まで到達してしまう現象

(5)校正リーク

分析管のHe分圧レベルを漏れ量単位に変換する為の「漏れ基準器」

メンブレン型 真空法用/E-7, E-8, E-9, E-10 Pa・m3/sec台
Heを内蔵。硝子を透過する現象を利用。温度係数、経年減衰係数を持つ。

img-heliot-16.png

チャネル型 主にスニッファー用(真空法も可)/E-4, E-5, E-6 Pa・m3/sec台
Heを外部より供給。真空法ではHeを大気圧(差圧0.1MPa)で使用。比較的大きな漏れに適している構造。

img-heliot-17.png

(6)感度校正

機器(LD)が検出可能な最小電流値が示す、漏れ量のことを感度といい、数値が小さい程、感度が良い。校正リークの定測により、感度校正を行う。

img-heliot-18.png

(7)最小可検リーク量

標準空気リーク量で表される最小のリークで、リークディテクターで明確に検出できるもの。

(8)基本動作(真空法:Auto Flow)

img-heliot-20-1.png

(9)基本動作(スニッファー法)

Work内部にHeを充填加圧して、外部(大気中)に漏れ出てくるHeを検知する方法。

img-heliot-21.png

テストポートにスニッファーユニットを取り付けて使用します。スニッファーユニットによりLDテストポートは、TV2で連続運転可能な圧力に維持されています。
プローブ先端のオリフィスで圧力制御する一般的なタイプの他に、アルバックでは吸引用ポンプを搭載したタイプもあります。

img-heliot-22.png

リークディテクタ取り扱いの注意点

(1)運転中の振動を与えない

ターボ分子ポンプは高速で回転しているため、振動のある場所で使用したり、運転中に機器を乱雑に移動したりする事はターボ分子ポンプの破損に繋がります。

<HELIOT停止中画面>
ターボ分子ポンプの回転数を表示する工夫がされています。
point1.jpg

(2)突発的な圧力上昇に注意

分析管の圧力上昇は、イオンソースのフィラメントが焼き切れたり、分析管内部の汚染に繋がります。感度低下が進み、ターボ分子ポンプへのダメージも蓄積されます。

分析管の圧力上昇の主な要因としては、真空法で検査中に不用意にWorkが外れる場合が挙げられます。接続許容圧力を超えた場合のインターロック機能は搭載していますが、分析管の圧力上昇を完全に防ぐ事はできません。

point2.jpg

リークテスト時の注意点

(1)Heは確実に

風にHeが流されない様に空調、ダウンフローにも注意。 ※真空吹付け法の他、スニッファー法でも注意が必要

important1.jpg

(2)漏れ箇所探しは、順番も大事

Heは軽いガスなので、上に移動します。Heの吹付け量も少なくしないと、場所のと特定が困難になります。
※真空吹付け法は上から、スニッファー法は下から

important2.jpg

(3)測定時の時定数

Workの形状により、LDで検出するまで時間がかかる事があります。
※スニッファー法ではホース長で反応速度が変わります

important3.jpg

(4)Heを使い過ぎない。適切な使用量

Oリング含むゴム材等は一箇所に連続してHeを使用すると「透過」現象が起こります。
一端、透過してしまったOリングは一定時間放置して再利用可能ですが、必要以上のHe使用は控えましょう。
※微小漏れを検査する時には、特に注意が必要です

important4.jpg

(5)スニッファー法の環境整備

大気を吸引するスニッファー法では大気中のHe濃度(バックグラウンド)が検出下限を悪くします。
※検査後のHe放出、加圧配管接続ミスにも注意が必要

important5.jpg

(6)ZERO補正の適切な運用

He使用によって生じた「変化量」が「漏れ量」です。その為、バックグラウンドとして表示している数値を0.0にする「ZERO補正機能」により、より正確な漏れ量を表示させる事が可能です。
※バックグラウンドと判定値が数桁違う場合は、影響が少ないので無視できます。ZERO補正はバックグラウンドが安定した状態で使用します。

important6.jpg

ヘリウムガスを透過し難いシール材(樹脂・ゴム系)はどの様な材質がありますか?

代表的なシール材でO-ring(オーリング)ではニトリルゴムより、フッ素ゴムの方がヘリウムガスのガス透過量は小さいので、良く使用されます。O-ringメーカでは独自にガス透過係数率に特化した製品を用意している場合もございます。

検査治具(金属製)には、そのような鋼材が適していますか?。

SUS304またはアルミが一般的に使用されます。ガス吸着性、耐久性(傷)の面でSUSは真空用配管、フレキシブルホースでも最も一般的な材質ですが、複雑な掘り込みが必要な治具の場合には加工のし易さからアルミを使用します。

Oリング内の拡散(透過)と漏れは、どのように区別したらよいでしょうか?

透過によるヘリウムの検出は、漏れによるヘリウム検出より遅く反応が出始めるため、ヘリウム使用からの応答時間で区別しています。可能であれば事前に透過が生じるまでの時間を把握し、その前に漏れ試験を完了するようにします。

多量のヘリウムガスを吸い込んだ影響でリークディテクタのバックグラウンドが下がらなくなってしまいました。どのような対処方法がありますか。

HELIOT900seriesでは、内部のヘリウムガスの排出を行うクリーンアップ機能が搭載されておりますので、お試しください。また、漏れ試験の判定後にヘリウムガスの吹付けを速やかに停止するなど、運用面で必要以上のヘリウムガスを吸わせない工夫で改善が可能な場合があります。

治具を使用した真空吹付け法(スプレー法)で、O-ringにヘリウムが浸透してバックグラウンドが高くなってしまった場合の対処方法。

O-ringの交換が最も有効です。一端ヘリウムの浸透してしまったO-ringも数時間の放置でヘリウムガスは抜けて再利用可能です。

リークディテクタ HELIOTシリーズで測定できるワークのサイズに上限はありますか?

現行モデルでは上限は設けていません。
※HELIOT300シリーズは、大きいワークの測定を行うと、規定時間内で粗引きが完了せず、Errorを発報させ測定工程に移りませんでした。
HELIOT700シリーズ以降の現行機においては、HELIOT内部の粗引き工程を見直す事で、規定時間を設けずに粗引きができるようになっています。
その為、小型ポンプ搭載のHELIOTであっても、大きなワークの測定が可能となっています。
また、機種による粗引き時間のシミュレーションも可能ですので、担当営業窓口にお問合せ下さい。

リークディテクタ HELIOTシリーズにおいてTabletの操作ができません。

Tabletの電源ボタンを長押しし、Tabletの再起動を行って下さい。
また、有線接続で使用している場合は無線接続での操作を試みて下さい。
無線接続で操作可能な場合は装置GNDの変動の影響が考えられますので、電源GNDの設置を確認して下さい。

リークディテクタ HELIOTシリーズの起動時にフォアポンプトリップが発生してしまう。

本機に供給する電源にコードリールを使っていませんか。コードリールを使用しない状態で起動確認をお願い致します。
改善が見られない場合には、お近くのアルバックテクノサービスセンタへお問い合わせ下さい。

リークディテクタ HELIOTシリーズの動作中に、停電が発生し機器が停止しました。故障しませんか?

故障は致しません。
ただし、停電後1~3分間は、複合分子ポンプの停止に時間がかかりますので、その間は機器を動かさないで下さい。電源が復帰し、初期画面を表示した際には、機器の再起動を行って下さい。

リークディテクタ HELIOTシリーズの本体とタブレットを接続するUSBケーブルは、市販品の物が使用できますか?

特別な配線形態となっている為、使用する事はできません。

起動時にErrorが発生し、起動が完了しません。

以下の項目について、ご確認して下さい。
・真空法の場合にはテストポートがブランク状態、スニッファー法の場合にはスニッファープローブになっていますか。
・入力電源のGNDがきちんと設置されていますか。
改善が見られない場合には、お近くのアルバックテクノサービスセンタへお問い合わせ下さい。

校正リークの校正に対して推奨する校正期間はありますか?

推奨期間は設けておりません。お客様による規定にて期間を設けて頂いております。

リークディテクタ HELIOT700シリーズを長期間使わなかった後に起動したところ、起動開始のボタンが出ず、Initializing状態が続いてしまう。

タッチパネルのソフトウェア内の設定が初期化された可能性があります。対象機器を操作できる環境にてサービスセンタにお問い合わせ下さい。

校正リークとは
リークディテクタやリークテスト、ALT(自動リークテスト装置)などのお話をすると必ずと言っていいほど"校正リーク"というキーワードが出てきます。
知ってる方は知っていると思いますが、"校正リーク"ってなに?なんで必要なの?なにしてるの?という方もいらっしゃると思います。
そこで、"校正リーク"とは何なのか、どんな役割を担っているのかを簡単にご紹介しようと思います。
ご興味ございましたらぜびご一読ください。

校正リークの役割

リークテストではリークディテクタを使用することがほとんどです。
リークディテクタはヘリウムなどのガスの流量を測定する機器です。

ここで測定という言葉が出てきました。
例えば長さを測定する際に皆さんは何を使いますか?定規やメジャーなどになると思います。

その定規やメジャーをよく見てみます。
目盛りがあって一番小さい目盛りは一般的には1mmだと思います。
1mmの長さは難しい話は置いておいて決まっています。
1mmが決まっていれば、その積み上げで10cm、1m、10m・・・と各々の長さがわかると思います。

ところがリークテストでいうヘリウムガスの1mmはリークディテクタだけではわかりません。
リークディテクタはヘリウムガスを見つけることはできますがそれがどのくらいの流量なのか、実はわかりません。

え?今使ってるディテクタはヘリウム流量が分かるよ?とおっしゃる方もいると思います。
それは何故かと言いますと、リークディテクタの中に"校正リーク"が内蔵されているからです。

"校正リーク"にはその構造や原理、使用用途の違いでメンブレン型とチャネル型があり、HELIOTですとメンブレン型の校正リークが内蔵されています。
(その特徴などについては別項目の「校正リーク メンブレン型の構造」、「校正リーク チャネル型の構造」をご参照ください。)

またALTなどではリークテストNGの基準としてNGワークなどとともに"校正リーク"がマスターなどの呼び名で用いられることもあります。
"校正リーク"からは決まった流量のヘリウムガスが共有されます。
その出力された流量とリークディテクタが見つけたヘリウムガスの流量を比較して、値付けしているのです。

長さで例えると、"校正リーク"から出力されるヘリウムガスは100mとわかっています。
リークディテクタで見つけたヘリウムガスが100mの1/20だったとすると100m/20で5mなんだと値付けするイメージです。

該非判定結果報告書ダウンロード

該非判定結果 リークディテクタ

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