油回転真空ポンプ

VDシリーズ

高効率規制に対応したマルチ電圧モーターを搭載した「油回転真空ポンプ」

油回転真空ポンプ「VDシリーズVer.C」は、トップランナー制度に対応したマルチ電圧モーターを搭載しました。
入力電圧は、モーターの端子箱の結線方法を変更することで 200V系、400V系に対応可能です。30m3/h~90m3/hまでの4機種をラインアップしています。また、CE、cTVUusを取得しており、電圧、周波数を気にすることなく、各地でご使用いただけます。

Table of Contents

  • そもそも油回転真空ポンプとは?
  • 油回転真空ポンプVDシリーズVer.Cの4つの特長
  • 用途に合わせた仕様を選ぶススメ
  • 油回転真空ポンプの注意点

そもそも油回転真空ポンプとは?

油回転真空ポンプとは、油によってローター、ステーター、摺動翼板などの部品の間の気密および無効空間の減少を図っている容積移送型真空ポンプです。

油回転真空ポンプは、真空ポンプ油を使う事によって、回転部分の動きを滑らかにしたり、封止して気密を高める事で高い排気性能を実現しています。また、低真空領域から中真空領域まで有効に作動できるポンプの中では最も効率が良い形式であり、安定した排気性能が得られる信頼性の高い真空ポンプです。

長所…安価、コンパクト
短所…真空ポンプ油の管理

油回転真空ポンプには構造の違いにより揺動ピストン型、カム型、回転翼型の3つに大別できます。

揺動ピストン型 カム型 回転翼型
ベーンガイド部分を揺動するスライドピストンが偏心ローターによって上下首振り運動を行うことでスライドピストンおよびケーシングに囲まれた空間の容積を変化させます。ローターが偏心しているのでこの3種類の中で振動が一番大きくなりますが、故障が少なく、比較的大排気容量のポンプに多く使用しています。弊社の場合、PKSシリーズが揺動ピストン型になります。 ステーターの中心に偏心ローターが設置され、偏心ローターの一部がステーターとわずかな隙間を維持しながら回転します。吸気側・排気側の気密を維持する事を目的として、上下に動くベーンが設置されています。偏心ローターが回転することにより、偏心ローター・ステーター・ベーンの容積が変化します。
3種類の中では簡単な構造となっています。
シリンダーの内側に回転するローターがあり、ローターにはーンが組み込まれています。このベーンはシリンダーと接触しています。ローターが回転することで、ローター・ベーン・シリンダー内の容積が変化します。偏心構造ではないので、高速回転が可能となり、運転中の振動が少なく、小さい筐体で大きな排気速度を得ることができます。弊社の場合、VDシリーズを始め、多くの油回転真空ポンプが回転翼型になります。

Cam Type.gif

Rotary-Vane Type.gif


油回転真空ポンプVDシリーズVer.Cの4つの特長

1.様々なアプリケーションに対応

油回転真空ポンプは、一般的な空気の排気から、腐食性ガス、可燃性のガスの排気など、様々な用途で使われています。
シール材やオイルを変更することによって、様々なアプリケーションに対応が可能です。

・空気や不活性ガスの排気、大気⇔真空の繰り返し排気の場合には、標準仕様。
・標準仕様のシール材はフッ素ゴムのため、フッ素ゴムが膨潤する成分が含まれる気体の排気には、N仕様。
・グリコール系の成分が含まれる気体の排気には、B仕様。
・真空ポンプから漏れるガス量を少なくしたH仕様は、可燃性ガスの排気を行う際に有効。
・腐食性ガス、酸化性の高いガスの排気する場合には、オイルの劣化が早いためにフッ素油を用いたF仕様。

2.トップランナー規制に対応した、マルチ電圧モーター

地球環境保護や温暖化防止を目指して、エネルギー消費量の抑制、削減の為にトップランナー規制があります。 トップランナー規制の対象には三相誘導型電動機があり、油回転真空ポンプに使用されるモーターも使用されています。
アルバックではグループ会社が製造しているトップランナー規制に対応したモーターを搭載しています。
このモーターはマルチ電圧入力となっており、幅広い入力電圧に対応し、世界各地で電圧、周波数を気にすることなくお使いいただけます(電圧の変動は5%以内のこと)。
200V~240V/50Hz
200V~240V/60Hz
380V~415V/50Hz
380V~460V/60Hz

3.CE、cTVUusに適合

CE規格に適合しており、欧州連合諸国および欧州経済地域でご使用いただけます。また、cTVUus規格も取得しており、北米地域でもご使用いただけます。
CCC対応モーターを採用しているため中国でも安心してご使用いただくことが可能です。

4.使い勝手の向上

油回転真空ポンプ VD Ver.Cは、シリンダーとベーンの潤滑・気密を常時維持する為にシリンダーに真空ポンプ油を供給する系統にオイルポンプを搭載しています。これによって、低真空領域においても、シリンダー内に安定して真空ポンプ油が供給することができ、高負荷時の焼き付きを防止します。
不意の停電や吸気口を大気圧に戻さずに長期間停止すると、真空ポンプ油がシリンダー内に逆流し、起動困難になる場合があります。油回転真空ポンプ VD Ver.Cはシリンダーに真空ポンプ油を供給する系統にオイルアンチサックバルブを搭載することで、真空ポンプ油の逆流を少なくし、再起動時の負荷を緩和します。
日常の使い勝手を考えた設計を行っています。メンテナンス性の向上を目的として、給油口位置、排油口位置、真空ポンプ油のレベルゲージ、冷却水入口、冷却水出口を1方向から行えるように設計を行い、メンテナンス性を確保しています。

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用途に合わせた仕様を選ぶススメ

  • 各種真空装置の粗引き系として使用可能です。30m3/h~90m3/hまでの幅広いラインアップで、最適なポンプを選択いただけます。
  • 豊富なオプション仕様で一般排気だけでなく、特殊ガスの排気にも対応可能です。
使用例 タイプ
(種類)
適用機種 主シール材 オイラー Heリーク
テスト
オイル
空気や不活性ガス排気
大気⇔真空の繰返し排気(高負荷運転) *1
標準 VD30C, VD40C,
VD60C, VD90C
FKM
(フッ素)
R-72
鉱物油
FKM (フッ素) ゴムでは耐性の無いガス・溶剤排気 N VD30C-N, VD40C-N NBR *2
(ニトリル)
R-72
鉱物油
ブレーキ液(グリコール系)プロセス排気 B VD30C-B, VD40C-B Si + NBR *3 R-72
鉱物油
可燃性ガスの排気
Heガス回収装置
H VD30C-H, VD40C-H,
VD60C-H, VD90C-H
FKM
(フッ素)
R-72
鉱物油
腐食性ガス,可燃性ガスや酸化性ガスでのオイル劣化対策 F VD30C-F, VD40C-F
VD60C-F, VD90C-F
FKM
(フッ素)
J60F *4
フッ素油

*1 VD90Cは、1,000 Pa 以上の圧力で連続運転はできません。
*2 連続で高負荷運転を行うとポンプ温度が100℃を超える場合があり、NBRゴムの耐熱を超えることがありますので、Nタイプ、Bタイプを選定する場合はご注意下さい。
*3 FKM(フッ素)ゴムを劣化させるグリコール系のガス・液排気を行う際にご選定下さい。
*4 フッ素油での組立検査を行いますが付属はしません。必要な場合は別途手配となります。
*5 ダスト, スラッジ 等によるオイルの劣化対策に オイルクリーナー、油水分離機でのオイルフィルトレーションを同時に行うことを推奨します。

油回転真空ポンプの注意点

真空ポンプ油は、油回転真空ポンプの性能を大きく左右します。一般的な油の役割として、潤滑、気密、冷却、洗浄、防錆の5つがあります。油回転真空ポンプでは特に潤滑、気密、冷却が重要視されます。オイルが劣化すると潤滑・気密が正常に作用しなくなり、性能を発揮できなくなります。真空ポンプ油の劣化具合の指標の一つとして色があります。真空ポンプ油の色は正常範囲か? 真空ポンプ油の油量は適正か 日々、ご確認していただくことを推奨します。

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