油回転真空ポンプ
VSシリーズ
1段式の回転翼型油回転真空ポンプ
油回転真空ポンプVS650 / VS750は、大排気速度で大気圧から安定した排気性能が得られます。大気圧連続運転も可能で、大容積のチャンバーを必要とする真空成膜装置において短時間で排気するアプリケーションに最適です。メカニカルブースターポンプを追加することにより、更に排気時間を短縮できます。
Table of Contents
- なぜ大気圧連続運転が可能となったか
- 油回転真空ポンプ「VSシリーズ VS650 / VS750」の特長
- 大容積チャンバーの排気系に最適!生産性向上に
- VSシリーズ VS650 / VS750をおすすめする理由
なぜ大気圧連続運転が可能となったか
油回転真空ポンプVS650 / VS750は、オイルミストフィルターを内蔵しました。これにより、適正な油量の管理を行うことができるようになり、大気圧での連続運転が可能になりました。
VS650 / VS750を大気圧近傍で運転する場合は、排気口から油煙が発生します。排気口は、大気解放せずにダクト等に繋ぎこみをしてください。内蔵のオイルミストフィルターに頼ることなく、使用いただくことでより適した性能を維持いただけます。
油回転真空ポンプVSシリーズ VS650 / VS750の5つの特長
1. 大型オイルタンクを採用
油交換の頻度を少なくするため、オイルタンクを大型にしました。またタンク内に溜まったゴミ・スラッジの清掃が容易に行えるようにオイルタンクに大きな開口部を設けました。
2. オイルミストフィルターユニットを採用
オイルミストトラップは、ロータリーポンプの排気口(出口側)に取り付け、排出空気に同伴されるポンプ油の油煙を90%程度取り除く濾過フィルタです。このフィルターを事前にアッセンブリ、オイルミストフィルターユニットで6本を一括交換できます。オイルミストセパレータの交換が容易で、装置のダウンタイムを少なくすることが可能です。
3. ポンプ温度を監視が可能
標準仕様で115℃サーモスタットを搭載しています。環境設備にあった配線をお客様で行っていただくことによりポンプ温度の監視が可能です。温度を監視することで、ポンプの過負荷やベーンの劣化を防ぐことができます。
4. 軸シール部からの油漏れ対策
オイルシールを内部と外部の2段階にしたことで、外部へのオイル漏れを防ぎます。
5.海外の安全基準に対応しています。
適合規格:CE、cTUVus
CEは、EU加盟国の基準を満たすものに付けられる基準適合マークです。cTUVusは、テュフ ラインランド オブノースアメリカが発行する、アメリカ・カナダの両国に有効な安全マークのです。VS650 / VS750製品はともに取得しています。
大容積チャンバーの排気系に最適!生産性向上に
用途:真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなど
「リフトオフ成膜を行う蒸着装置」「一度に大量のワークを処理する成膜装置」「フィルムの原反をチャンバーに入れるロールコーター」は、一般的にチャンバーの容積が大きくなります。真空成膜装置において排気時間は待ち時間となります。排気速度の大きな真空ポンプにすることによって、待ち時間の削減とともに、真空ポンプの稼働時間が短くなるので消費電力を抑えることができます。
成膜装置以外にも自動車のラジエーターやコンプレッサー、家庭用エアコンの熱交換器などは、生産工程において、漏れ検査(リークテスト)を行います。漏れ検査を行う装置においても短時間で排気できる大排気速度のポンプが必要になります。また、漏れ検査を行う装置は冷却水を使用しない場合もあるため、空冷式がお勧めです。
更に、PMB2400Dをインバーター制御する事により、メカニカルブースターポンプを空冷として使用できます。
VSシリーズ VS650B / VS750Bをおすすめする理由
VSシリーズのVS650 / VS750は、1段式の回転翼型油回転真空ポンプにすることで低振動を実現しました。従来の揺動ピストン型油回転真空ポンプと比較して、振動値および加速度が1/3になりました。低振動であることから基礎工事などの真空ポンプ設置に伴う負担を軽減します。
冷却方式は、空冷または水冷を選択でき、油回転真空ポンプを設置する環境に合わせて選べます。また、空冷仕様・水冷仕様ともに油温を下げるためのオイルクーラーを標準採用しています。冷却水を準備できない環境や冷却水を使用していない装置の場合には、空冷を選択し付帯設備追加を低減することが可能です。
また、メカニカルブースターポンプ(PMB2400D)を直接搭載できるため、ポンプ架台が不要となりました。設置場所の省スペース化や設計負荷の低減になります。