Semiconductor
スパッタプロセスのスループットが向上するDC電源の4つのポイント
IoT・スマート社会における5G環境下で
重要かつ不可欠な電子デバイス
例えば・・・・
電子デバイスの中で『通信』というキーワードで考えてみる。3G(800MHz~)、4G(2.4GHz)、そして5G(3.7~4.5GHz、28GHz)へと周波数帯が変遷し、その都度SAWデバイスや水晶発振子に対しての求められる付加価値も増大。例えばこのデバイスの櫛歯電極(IDT)形成にはスパッタリング装置が必須で、様々な種類の成膜を行うためには電源が必要。
低炭素社会を支える上で重要かつ
不可欠な電子デバイス
例えば・・・・
パワーデバイスというキーワードで考えてみる。パワーデバイスは、交流を直流にする、交流の周波数を変換するなど、電力の制御や供給の高速で極限の高効率が求められる。
- 例えばこのデバイスにおけるソース電極や裏面電極形成には蒸着装置やスパッタリング装置での成膜が不可欠で、金属膜の成膜に関してはDC電源が必要。
- 例えばこのデバイスにおける絶縁膜形成にはCVD装置でSiO2を成膜、エッチング装置でそのSiO2を加工。それら装置ではRF電源やDCパルス電源、MF電源が必要。
電子部品製造において鍵となる真空装置をお使いの中で
お悩みはありませんか?
たとえば、私たちのお客さまであるメーカーの皆さまから、このような声をよく伺います。
1. 不良品の市場流失が心配だ
2. グレーロット/グレーウエハはどうしょう?
3. 歩留まりが上がらない・・・
4. 装置ダウンタイムの高止まりをどう解決するか。
さらに、進化したIoTの社会ではさらなる品質向上やクオリティコントロールへの要求はどんどんシビアになっていきます。
1. 各種デバイスのさらなる高集積化/微細化
2. お客さまからの品質保証要求の増大
3. 最終製品への仕様要求の増大
スマート社会の到来は、電子デバイスへの機能の要求だけでなく、品質管理の大幅な向上が求められます。
もはや、私たちが未来に向かうために、これらの課題をクリアすることは不可欠といえるでしょう。
しかし、逆に考えれば、これからの電子デバイスにおいて、これらの課題をクリアできれば、競合他社の製品よりも大きな差別的優位性を獲得することも可能となります。
品質向上にかかる工数や時間が削減できることで、さらなる高機能の電子デバイスへの開発に時間とコストをかけることも可能となるのではないでしょうか。
そこで、私たちアルバックがご提案したいのが、アルバックの『電源ソリューション』です。各種電源をラインナップしておりますので各種プロセスにあった電源を選択いただけます。ULVAC製電源を製造工程に導入することで、電子デバイスの製造工程におけるさらなる品質向上をご提供します。
アルバックは、世界に類を見ない「真空総合メーカー」です。
電子デバイスを製造する装置を開発しているだけでなく、さらにその装置との組み合わせの相乗効果で、電子デバイスの製造プロセスの品質管理を行うコンポーネントも製造しています。
真空をつくる、真空をはかる、真空におけるテクノロジーを知り尽くした総合メーカー、アルバックだからこそ、ご提案できるソリューションです。
目次
真空装置で使用する電源とは?
真空装置で使用される電源とは、成膜用の電源で、ご家庭で使用されるような電力供給の電源とは役割が大きく異なります。
真空装置では、電源がプラズマを発生させるために使用され、プラズマは、真空チャンバー内に投入したアルゴンなどのガスが物理現象を利用して特殊な膜をつけることができます。
スパッタ、CVD、エッチングなど各種成膜プロセスそれぞれで、選ぶべき電源の特長も異なります。
DC電源とは?
DCとは、Direct Currentの頭文字をとった直流を意味しているので、極性は決まっています。
特に、金属膜をつけるスパッタ装置で採用されることが多い電源です。下の図のように、電池をDC電源、放電させたプラズマを電球と見立てていただくとイメージがわきやすいかもしれません。
DC電源の動作原理
DC電源は非常にシンプルな回路構成です。Alternating Current、つまり交流入力で供給された電力を整流器及び平滑回路にて直流に近い状態にします。
その後、スイッチを用いて交流に変換、トランスにて電圧を可変させます。整流後、再度平滑して直流電力を出力します。
歩留り・スループット向上!DC電源で必ず見るべき2つの性能
異常放電を検知するアーク性能
アークとはスパッタプロセスにおける異常放電の表現の一つです。真空チャンバー内のプラズマ空間の中で異常放電が発生したときにいち早く検出して出力を高速で遮断、そして復帰する性能です。つまり、アーク性能が備わった電源は、一連の動作が早く異常放電が発生している時間を短くできます。
高パフォーマンスに繋がる制御精度
高い制御精度は安定したプロセスの実施や再現性に繋がります。それぞれのプロセスで設定電力が高いところから低いところまで異なりますので、制御保証範囲が重要なファクターです。
プロセスで注意すべき異常放電とは?
放電の種類もいくつか存在しますが、異常放電とはプロセスの弊害になる放電の総称です。
一般的な正常な放電はグロー放電と呼ばれています。一方、チャンバー内の状況により放電状態が電極の任意の一点に集中してしまうような放電状態がアーク放電です。
特にスパッタのプロセスにおいては弊害となり、成膜の仕上がりに影響を及ぼします。
最適なDC電源を選ぶために、必ずチェックしたい仕様の注意
入力電圧
一般的には、100V/200V/400V系があり、周波数は50/60Hzです。入力のブレーカの選定なども必要になりますので考慮が必要です。
定格電力
定格電力とは、プロセス上で投入したい最大電力値です。それぞれの定格電力に応じた定格電圧、定格電流が仕様で決められています。負荷の電極構造やプロセス条件によって放電させたときの電圧や電流が異なります。想定が難しい場合は少し余裕を持った定格電力の選定をお勧めしています。
DC電源関連ラインナップ
小型容量DC電源 DC-2,DC-4
- 高い制御精度と広い精度保証、そして信頼性
小型容量DC電源は、10%以下の低パワー領域でも設定値の±1%の高精度に出力できます。そのうえ、1%から100%までパワー精度を保証しています。真空装置メーカーだからこそ蓄積したノウハウが設計にフィードバックされている為、多くの企業から信頼を得ています。 - 軽量・省スペース
設置性に優れた軽量・省スペースに設計されています。 - 冷却水が不要
強制空冷方式を採用しているので、冷却水不要です。
大容量DC電源 DC-10,DC-20
- 豊富なアークハンドリングと高速アーク遮断回路を搭載
アルバックは世界で唯一の総合真空メーカー故に、プラズマ熟知しています。アルバックならではの豊富なアーク制御方式に加え、標準でも低アークエネルギーを実現できます。さら高速アーク遮断回路をオプション搭載すると、アークハンドリングがより快適です。 - 軽量・省スペース
設置性に優れた軽量・省スペースに設計されています。 - 出力電圧範囲が選択可能
800V仕様に加えて1000V仕様もラインアップしています。 - 冷却水が不要
強制空冷方式を採用しているので、冷却水不要です。 - 自由な並列運転機能を搭載
並列運転機能をオプション搭載していただくと、より自由に10kWと20kWを組み合わせて最大12台、240kWまでの並列運転が可能です。
DCパルス電源 DC-5-P,DC-10-P
- 異常放電削減と高スループット
最大の特長は、異常放電を削減です。異常放電削減によって、ハイパワーの投入、かつ高スループットへ導きます。 - 基板ダメージの低減
DC-5-P, 10-Pはアーク制御に大変、優れています。アーク起因の基板ダメージやパーティクルも低減でき、歩留り向上に最適です。 - 逆パルス周波数の変更
10kHz ~ 250kHzの範囲で周波数を変更できます。 - マスター/スレーブ接続による大容量化
同一機種において、最大6台までマスター/スレープ接続で並列運転できます。 - DC出力
PULSE 機能を停止できるので、、超低アーク性能なDC 電源としてもご使用いただけます。
異常放電防止ユニット A2K-20K,A2K-40K
- 異常放電削減と高スループット
A2K最大の特長は、異常放電を削減です。異常放電削減によって、ハイパワーの投入、かつ高スループットへ導きます。 - 基板ダメージの低減
アーク起因の基板ダメージを低減することが可能です。 - 逆パルス周波数の変更とパルス同期システム
アルバックの異常放電防止ユニットでは、逆パルス幅周波数を変更することができます。既存の装置への接続も容易です。更に、パルス同期システムを利用すると、複数台のA2K出力パルスが同期できます。マスタースレープ接続で最大6台まで並列運転すると、大容量化も可能になります。
デュアルカソード用バイポーラユニット MFU-20K
- 広い周波数範囲
アルバックのデュアルカソード用バイポーラユニットは、10kHz~100kHzの広い周波数範囲を保証しています。 - マスター/スレーブ接続により大容量化が可能
デュアルカソード用バイポーラユニット MFU-20Kをマスター/スレープ接続で最大6台までの並列運転すると、大容量化も可能です。