ダイアフラム型ドライ真空ポンプ|トラブルシューティング|HOW TO|ULVAC SHOWCASE

トラブルシューティング

故障、異常原因と対処方法
1. ポンプの圧力が下がらない
2. 異常音がする
3. ポンプが回転しない
4. 定格電流値よりも電流値が高い
5. ポンプから異臭がする

トラブル対策・よくある質問・お役立ち情報
1. 水分が含まれた凝縮性ガスを吸引したら
2. 真空起動時の不具合
3. 全負荷電流値と起動電流値の違い
4. 真空と大気圧を繰り返して使いたい
5.
大気圧付近で連続して使いたい
6.
真空ポンプを自分で修理したい
7.
真空ポンプの引取りオーバーホールの内容を知りたい
8.
真空ポンプのオーバーホールの周期はどれくらいか
9. ダイアフラム(合成ゴム)の耐蝕性

故障、異常原因と対処方法

1. ポンプの圧力が下がらない

チェック項目 対処方法
ダイアフラムが破損していないか ・ダイアフラムを交換する
吸気弁、排気弁が破損していないか ・吸気弁、排気弁を交換する
エアフィルターやサイレンサーが目詰まりしていないか ・エアフィルターやサイレンサーを清掃する。または交換する
吸気管から漏れていないか ・シールテープの交換、またはOリングを交換する
入力電源に異常はないか ・定格電圧の±10%以内に改善する
ポンプ周辺の温度が適切か ・使用雰囲気温度の範囲に改善する
真空槽や配管等に漏れはないか ・ポンプ単体の性能に問題がないか確認する。問題がなければ配管等にもれがないか確認し、漏れを止める

※消耗部品をセットにしたメンテナンスキットがある機種は、取扱説明書を参照しながらお客様ご自身で消耗部品の交換ができます。ポンプ購入時の代理店へお問い合わせください。
※解決しない場合には、漏れを探し、点検修理を依頼してください。修理・メンテナンスの依頼方法はこちら

2. 異常音がする

チェック項目 対処方法
ポンプ内に異物が入り込むようなことはないか ・異物を取り除く
入力電源に異常はないか ・定格電圧の±10%以内に改善する
ダイアフラムが破損していないか ・ダイアフラムを交換する

※消耗部品をセットにしたメンテナンスキットがある機種は、取扱説明書を参照しながらお客様ご自身で消耗部品の交換ができます。ポンプ購入時の代理店へお問い合わせください。
※解決しない場合には、漏れを探し、点検修理を依頼してください。修理・メンテナンスの依頼方法はこちら

3. ポンプが回転しない

チェック項目 対処方法
コンセントまで電源は来ているか ・ヒューズやブレーカーを確認する
入力電源に異常はないか ・定格電圧の±10%以内に改善する
ポンプ内部の真空状態が原因ではないか ・ポンプ内を大気圧に戻す
「真空起動時の不具合」参照
雰囲気温度が低過ぎないか ・規程の使用雰囲気温度にする
サーマルプロテクタが作動していないか ・ポンプが高温になっている原因を取り除く

※解決しない場合には、漏れを探し、点検修理を依頼してください。修理・メンテナンスの依頼方法はこちら

4. 定格電流値よりも電流値が高い

チェック項目 対処方法
水分系を吸引していないか ・水分が入ってしまった場合は、吸排気口を開放して、しばらく空運転をして水分を吐き出す
・水分が入ってしまった場合は、分解して内部の水分を除去する
・水分が入ってしまう場合は、ポンプ前段にトラップを入れる
「 水分が含まれた凝縮性ガスを吸引したら」参照
排気側が目詰まりしていないか ・サイレンサを清掃する。またはサイレンサを交換する
ポンプ内に異物が入り込むようなことはないか ・異物を取り除く
・異物が入ってしまう場合は、ポンプ前段にトラップを入れる
高い吸入圧力で連続運転をしていないか ・高い吸入圧力で連続して運転する使い方には向いていないので、他のポンプへの交換を検討する
・「真空と大気圧を繰り返して使いたい」参照
供給電圧に問題はないか ・電圧降下が起こっていないか、電気的な確認をする
ポンプ周辺の温度が高くないか ・ファンを取り付けて冷却すなどポンプ周辺の温度を改善する

※解決しない場合には、漏れを探し、点検修理を依頼してください。修理・メンテナンスの依頼方法はこちら

5. ポンプから異臭がする

チェック項目 対処方法
吸引物に原因がないか ・吸引物に臭気がある場合は、ポンプ前段にトラップを入れる
・排気側をダクトにつなぐなどの対策を取る
モータが焼け焦げていないか ・焦げ臭い場合はモータが損傷の可能性があるので修理を依頼する

トラブル対策・よくある質問・お役立ち情報

1. 水分が含まれた凝縮性ガスを吸引したら

水分を取り除く必要があります。取り除かないとポンプ寿命が縮まります。
ポンプ室部品には耐水性でないものがあり、どうしても水蒸気の吸引を避けれない場合は、頻繁に大気開放状態でポンプを運転し、内部の水分を吐き出させるように対処いただくと効果的です。

例えば、ポンプ室部品を耐水性のあるフッ素樹脂系のものした場合も、使用後あるいは、1日数回大気開放状態でポンプを運転したほうが効果的です。

2. 真空起動時の不具合

ポンプを到達圧力で運転中に停電などの事故で停止した場合、ポンプ内部は真空に保持されたままになっています。内部の真空状態と外部の大気圧状態では大きな差圧がかかってしまうため、再起動が困難になる場合が有ります。このような状態の場合、ポンプ室内部を大気圧に戻す(真空破壊)をすれば、ポンプはスムーズに回転します。

真空破壊を行わずにポンプを再起動した場合、起動が困難なため、

  1. モータに過電流が流れる
  2. 過電流により、ポンプの温度が急上昇する
  3. ポンプの破損

などが起こります。

3. 全負荷電流値と起動電流値の違い

全負荷電流値は、モータの100%出力時の入力電流値です。また、定格電流値とも呼ばれています。
起動電流値は、モータに電源を投入し、運転を開始するときの電流値です。モータの種類によって異なりますが、瞬間的に全負荷電流値の約5倍の電流が流れます。

4. 真空と大気圧を繰り返して使いたい

真空と大気圧を繰り返して使う場合は、真空ポンプと吸着物の間にバルブを設け、真空ポンプは運転したままバルブの開閉で調整してください。
真空ポンプの電源のオン・オフで真空と大気圧を繰り返すやり方はお止めください。モータに負荷がかかり安全装置が働いてポンプが停止します。万が一安全装置が働かなかった場合、モータが焼けて、発煙、発火の恐れがあります。
※アルバックでは、吸着用のバルブの取り扱いはございません。

5. 大気圧付近で連続して使いたい

ダイアフラム型ドライ真空ポンプは、大気圧付近での連続運転に不向きです。大気圧付近での連続運転はお止めください。モータに負荷がかかり、安全装置が働いてポンプが停止します。万が一安全装置が働かなかった場合、モータが焼けて、発煙、発火の恐れがあります。
大気圧付近で連続して運転できる回転翼型ドライ真空ポンプは、アルバックでは取り扱いがありませんが、ブロアなどをご検討ください。

6. 真空ポンプを自分で修理したい

ダイアフラム型ドライ真空ポンプは、消耗部品をセットにしたメンテナンスキットがある機種については、取扱説明書を参照しながらお客様ご自身で消耗部品の交換ができます。該当機種のメンテナンスキットをお買い求めください。メンテナンスキットのない機種については、修理をご依頼ください。
取扱説明書こちら 
修理・メンテナンスの依頼方法はこちら

7. 真空ポンプの引取りオーバーホールの内容と知りたい

オーバーホールでは主に、①分解・お見積り、②部品の洗浄、③消耗部品の交換、劣化部品の交換、④組立、⑤性能検査 を実施しています。
吸引物を確認させていただいた上で、無害化洗浄をさせていただく場合があります。その場合は、お見積り時にお客さまへご相談させていただきます。

8. 真空ポンプのオーバーホールの周期はどれくらいか

オーバーホールの時期は、ご使用方法で大きく異なります。年に一度のオーバーホールが目安となりますが、日常点検で「圧力が悪くなってきた」「運転中の振動が大きくなってきた」「運転音がこれまでと変わってきた」など異常がある場合は、オーバーホールが必要です。

9. ダイアフラム(合成ゴム)の耐蝕性

特性

NBR
ニトリルゴム
FPM
フッ素ゴム
CR
クロロプレンゴム
EPDM
エチレン・
プロピレンゴム
耐蒸気性
耐オゾン性
耐ハロゲンガス性 × ×
濃硝酸 (61%) × × ×
希硝酸 (12%) × ×
濃硫酸 (97%) × × ×
希硫酸 (48%)
濃塩酸 × ×
濃燐酸 (85%) ×
濃酢酸 (99%) × × ×
希酢酸 (50%) × × ×
アンモニアガス(冷) × × ×
ベンゼン × × ×
ナフサ × × ×
トリクロロエチレン × × ×
メチルアルコール ×
エチルアルコール
エチレングリコール
アセトン × × ×
クレゾール × × ×

HOW TO

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