CRTMとは?
水晶発振式成膜コントローラ → CRTM(Crystal Rate Thickness Monitor)
水晶発振式 → 水晶板を使用し水晶板の振動を利用した
成膜 → 成膜プロセスに対する
コントローラ → 制御機器
水晶発振式とは?
水晶は二酸化ケイ素(石英)で形成される無色透明の結晶
・水晶に機械的圧力をかけると表面に電気を生じる(圧電効果)
・水晶に電圧をかけると水晶は変形する(逆圧電効果)
水晶結晶を特定の角度で切り出した水晶板の両面に交互に電圧をかけると、ある一定の振動(共振)を始める。
水晶は純粋な結晶体であるため、水晶板は非常に安定した周波数で振動し続ける。
CRTSでは直径12.4mmの水晶板表面に金・銀膜で電極を形成。交流電圧を印加し振動させる。
発振してどうなる?
水晶発振(水晶板のすべり振動)
水晶板の形成(切削角度や厚みなど)で振動周波数が決まる
アルバックの水晶板は4M、5M、6MHz (5MHz = 1秒間に500万回振動する)
振動している水晶板表面に物質が付着する
→質量が増加する(重くなる)
→振動しにくくなる
→質量増加に応じて、周波数が低くなる、下がる(Hz)
→周波数変化で付着した質量がわかる(g)
→付着面積、物質密度などから、付着した厚さが分かる(Å、nm)
→積層膜厚とそれまでの時間がわかれば成膜スピード(レート)が分かる(Å/s)
成膜とは?
膜を形成すること
膜 → 金属、絶縁、有機材料など、装飾、絶縁、導電、硬度、滑りなど
形成 → 作る、削る、重ねるなど
コントローラとは?
世の中には「コントローラ」「モニタ」がある
コントローラ → 外部周辺機器に対し制御機能をもつ
モニタ → 信号を受け、それを表示する
CRTMとは?
(1)センサ信号を受けて、周波数(Hz)を測定する
(2)周波数変化から、積層膜厚(Å)を算出する
(3)積層膜厚から、レート(Å/s)を算出する
(1)周波数の測定から
周波数の急激な変化(JUMP)、水晶板の使用限界(寿命)などの把握
(2)積層膜厚の算出から
プロセス終了ポイント、多層成膜での膜厚などの把握
(3)レートの算出から
蒸着電源へのフィードバック、レート制御による膜質の向上
よって、成膜プロセスの自動運転が可能となる