真空という世界の小さなコラム
真空の3種の神器
真空状態は特別な環境です!
真空状態を作り出すには特殊な設備はもちろん、その機能に応じた部品が必要となります。
1つ1つの部品が組み合わさり、最も望まれる真空状態を演出するのです。
こういった部品のことをコンポーネントと言い、機能を実現するための組織の一部として重要な要素となっています。
真空で作業をする過程での制御や、安定した真空の空間を作り出すための三種の神器がどのようなものなのか簡単に3種類のコンポーネントから紹介していきます。
コンポーネントとは
機械を構成する部品のことです。その機械のために製作されたもので、ハードウェア。
主な真空コンポーネントとしては、真空チャンバー、真空バルブ、真空ポンプです。
ちなみに、パソコンを立ち上げたとき、「コンポーネントが見つかりません。」
これは、プログラムが壊れちゃったよっていうこと。結構重たいエラーメッセージです。
真空チャンバー
チャンバーとは?
chamber という英語で、小部屋という意味なんですが、他の意味では、謁見室、宮廷・王宮の公式の間という意味があります。
room という英語との違いは、格式高い特別な部屋の意味合いが増すことのようです。
それでは、真空チャンバーとは?
真空チャンバーとは、真空の環境を作る容器のことです。この容器の内部が真空になります。
真空装置の要となる部分で、真空装置の作業場となる空間です。
真空チャンバーは、真空に対応した真空用素材を使用していて、中の気体が外に漏れたり容器自体に吸収・吸着されたりしないことや、容器内側の表面が分解等しにくいものである必要があります。
つまり、容器自体からの影響が 少ない素材である必要があります。 現在では金属製のものが一般的です。
そして、私たちアルバックグループが手掛ける真空のサービスというのは、このチャンバーの空間で行われていることになります。
NASAにもある大型真空チャンバー
人工衛星のテストに用いる空間は、大型真空チャンバーです。米国オハイオ州にあるNASA研究施設の白いドームGlenn Research Centerも有名です。その空間で、地球上の空間として存在しない真空の世界が披露されています。
真空バルブ
バルブとは?
バルブは弁です。液体や気体の配管などで、その流れを制御するものの総称です。制御させるものは、方向・圧力・流量です。
つまり、チャンバーという小部屋から内部の大気をポンプで移動させる際に制御を行うものがバルブです。
真空装置ではチャンバーにバルブを取り付けることによって、大気と真空チャンバー内の空間を、遮断したり開放したりしています。ガス栓のようなものを想像してもらえればいいかと思います。形状によっても分類されますが、真空度や材料などの使用用途によって使い分けされます。また、チャンバーとポンプを繋ぐ部分でもあり、当然バルブにも真空用素材が使用されます。
アルバックの真空バルブは、真空分野での豊富な技術・経験をもとに開発されました。
L型バルブからゲートバルブ、大気圧から超高真空まで、あらゆる領域・条件・用途向けの真空バルブをラインナップしています。
真空ポンプ
ポンプとは? 真空ポンプとは?
一般的なポンプは、液体・気体の圧力を高めたり、減圧したりして、移動させるもので、真空ポンプは、チャンバー内の大気を外部に送り出す働きをします。
したがって真空ポンプは、特定の環境から気体を排出して 真空という環境を作り出すための ポンプです。
気体の吸気口で、チャンバー側に接続され、ポンプ排気動作を行い、 チャンバー等から排出された気体は、排気口より排出されます。
チャンバー内をどの程度の真空度を必要とするのか、排気する気体の種類、排気量、 使用材料などによって、必要となるポンプの性能が異なります。ポンプによっては大気圧以下でないと作動しないものもあり、その場合は、補助ポンプ+メインポンプの組合せで排気します。また、真空状態に合わせて、求められるポンプ、組合せも変わりますので、用途に合ったポンプを選ぶことが重要です。
>>>ポンプの排気方法、排気性能等に応じ使い分けなど詳しくはこちら、動画でみる真空ポンプの基礎