真空という世界の小さなコラム
真空の原理と原則 1|真空蒸着
ここでは、真空が繰りなす原理原則について、まとめています。
蒸着・スパッタリング・マグネトロンスパッタリングです。ちょっと言葉は難しくなりますが、できるだけ、分かりやすくなるように努めます。
まず、共通の言葉として覚えて欲しいのが、真空槽です。チャンバーなどの容器で生成される真空環境のことを、真空槽といいます。
蒸着とは?
容器に入れたAl(アルミ)等の材料を加熱して蒸発させ、上部の基板等にアルミを付着させ薄膜を形成する技術のことです。
また、ここで新しい言葉が出ました。薄膜です。薄膜を英語で書くと、Thinfilmです。薄いフィルムです。基板上に蒸着やスパッタリングで作られる原子の層です。
次は、蒸着の環境についてです。
通常の環境、つまり大気中で蒸着した場合は、蒸発したアルミ原子が大気中の気体分子に衝突してしまい、なかなか上部にある基板までアルミが到着(付着)しません。アルミは、下に落ちてしまうか、横方向に付いてしまいます。
そこで真空の登場です。真空槽で蒸着した場合、真空槽では気体分子が少ないので、気体分子に衝突するリスクが小さくなります。よって、アルミの進む距離が長くなり、上部にある基板により多くのアルミが到着(付着)することになります。
※厳密には、水蒸気が付着して水の膜が できるまでが蒸着の原理と同じです |
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