真空という世界の小さなコラム
真空の原理と原則 2|スパッタリング
ここでは、真空が繰りなす原理原則について、まとめています。
次は、スパッタリングです。英語で書くと、sputteringです。
あんまり馴染みがない単語ですよね?sputterの意味は、パチパチ、ジュージューっていう弾け飛ぶ音を出している状態のことをいいます。そこから派生して、飛沫作用という意味を持っています。
スパッタリングとは?
スパッタリングとは、Ar(アルゴン)等の不活性ガスで満たされた空間で、材料(ターゲット)に高電圧をかけ放電することでアルゴンが原子化し、それがターゲットに衝突することでターゲットの原子が叩き出され、基板に付着し薄膜を形成させる技術のことです。
では、基板に何か膜を付けたい場合、どのようにするのでしょうか。
※ターゲット=Al(アルミ)の場合。
1. 真空槽にアルゴンガスを導入し、アルゴン雰囲気にします。
アルゴンガスを入れると、完全にニュートラルではなく、若干の電子が浮遊することになります。
2. 電位をかけることで、流れてきたアルゴンガスに電子がぶつかって、「Ar+」と「e-」に分かれます。
3. 「Ar+」が、「マイナス」になっているターゲットに引きつけられます。
4. 「Ar+」が当たったターゲットから、アルミが飛び出して基板に付着します。
これがスパッタリングの原理です。
アルゴンとは?
アルゴンは不活性ガスです。
※酸素は活性ガスです。アルミと酸素は反応を起こしますが、アルミとアルゴンは反応しません。
これを不活性ガスといいます。
ターゲット材薄膜となる材料を焼結させ、板状や円盤状にした後にパッキングプレートと呼ばれる金属の板に、貼り付けたものを使用します。 アルゴンガスなぜアルゴンを用いるかというと、反応性が高い空気中の酸素と水蒸気を、反応性が低い気体に置換する必要があるからです。反応性が低い気体として、よく用いられるのが窒素とアルゴン。窒素は高温だと反応性があるので、アルゴンガスが用いられるケースが多いです。アルゴンは不活性ガスです。反応しない空気中に1%ある気体です。 |