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アルバックグループは、真空装置・真空機器・材料・分析機器・カスタマーソリューションなどの多様な真空技術を、総合的に幅広い業界向けに提供するユニークな企業グループです。

ーーとは言うものの「多様な真空技術とはどんなもの?」「幅広い業界のどこで使用されているの?」と疑問を持たれたこともあるのではないでしょうか。

実はこんな身近なところに!?と驚かれることもしばしばな真空技術。

いまや一年を通して私たちの生活に欠かせない一般家庭用エアーコンディショナー(通称エアコン)に真空技術が密接にかかわっていること、ご存知ですか?


サーチガスを用いた漏れ試験

 前回の記事ではいろいろな漏れ試験の方法を紹介しました。
なかでも、サーチガスを用いた漏れ試験は、液体を用いた漏れ試験、気体を用いた漏れ試験と比較して、高感度な漏れの判定が行えることをご紹介しました。今回はサーチガスを用いた漏れ試験について、くわしく見ていきます。どの辺が 、高感度な漏れの判定なのか、調べてみましょう。

目次

  ヘリウムガス
  水素ガス
  ハロゲンガス
  アンモニアガス

  ヘリウム漏れ試験
  水素漏れ試験
  ハロゲン漏れ試験
  アンモニア漏れ試験

1)真空法(試験体内部へのガス流入法)
2)加圧法(試験体内部からのガス流出法)
3)ボンビング法(試験体へのガス流入流出法)

サーチガスの特徴とは?

 サーチガスとは、簡便かつ正確に漏れを検知することができる特定のガスのことです。ヘリウムガス、水素ガス、ハロゲンガス、アンモニアガスの4 種類がサーチガスとして用いられます。
4種類のガスの特徴は、次のとおりです。

・ヘリウムガス
 ヘリウムガスは、毒性・引火性のない不活性ガスのため、いろいろな現場・環境・製品に対して安全に使用できます。分子径が小さいので、微小な漏れの検出に優れています。ただし、ヘリウムガスは高価です。

・水素ガス
 水素ガスは、爆発の危険性があるため、安全性の観点から窒素ガスなどに混合して非可燃性の濃度(水素ガス5%程度)に薄めて使用します。

・ハロゲンガス
 ハロゲンガスは、塩素、フッ素などのハロゲン元素を含むガスで、大気に放出するとオゾン層破壊の原因になるものが多いです。毒性や地球温暖化への影響を考慮し、取扱いには十分注意する必要があります。

・アンモニアガス
 アンモニアガスは、高濃度では爆発の危険性があるため、窒素混合ガスとして使用します。非常に強い刺激臭をもち、毒性も高いため、取扱いには十分注意する必要があります。

どのサーチガスを使う?漏れ試験の方法

 サーチガスを用いた漏れ試験とは、4種類の特定ガスを用いて、その漏れを高感度で検出できる分析装置(リークディテクタ)又は薬剤(検査剤)を用いて漏れを検出する方法のことです。
おもな試験は、次の4種類です。

・ヘリウム漏れ試験
 ヘリウム漏れ試験は、ヘリウムガスをサーチガスとして用います。ヘリウムガスを検知する機器はヘリウムリークディテクタという測定器です。ヘリウムリークディテクタは磁場偏向型質量分析計の原理を用いており、ヘリウムガスだけを高感度で検知できるように調整しています。

・水素漏れ試験
 水素漏れ試験は、水素ガスをサーチガスとして用います。水素ディテクタもヘリウムリークディテクタと同様に磁場偏向型質量分析計の原理を用いて測定しています。

・ハロゲン漏れ試験
 ハロゲン漏れ試験は、ハロゲンガスをサーチガスとし、ハロゲンディテクタ(冷媒ディテクタ)を用いて漏れを検知します。ハロゲンディテクタは赤外線吸収センサー式、ヒート半導体センサー式、コロナ放電式があります。
 赤外線吸収センサー式は、ハロゲンガスが特定波⾧の赤外線を吸収する性質を利用し漏れ量を検知しています。ヒート半導体センサー式は、加熱されたセンサー(フィラメント)に冷媒が触れると電気抵抗が変化し、この電気抵抗の変化を漏れ量に換算しています。コロナ放電式は、センサー内でコロナ放電を発生させ、冷媒がセンサー内に入るとコロナ放電が消滅します。これで漏れの有無を検知します。
 ハロゲンガス(冷媒)は、オゾン層を破壊するので、室外機へ冷媒を充填した後に冷媒が漏れていないか検査を行うときに用いられます。

・アンモニア漏れ試験
 アンモニア漏れ試験は、アンモニアガスをサーチガスとして用い、試験体にアンモニアガスに触れると化学反応で変色する(例:黄色から青色に変化)検査剤を漏れ検査を行いたい面に塗布します。漏れを指示模様として検出する方法です。

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試験体の構造によって異なる!?漏れ試験方法

 サーチガスを用いた漏れ試験は、ガスの種類による試験方法とは別に、検査したい試験体の構造によっていろいろな漏れ試験方法があり、どの方法を適用するかが重要な要素となってきます。
試験体の構造による漏れ試験方法には、大別すると、真空法、加圧法、ボンビング法の3種類があります。

(1)真空法(試験体内部へのガス流入法)
 真空法では、まず試験体内部を真空にし、試験体の外側をサーチガスで覆います。漏れがあると試験体の外側から内部へのサーチガスが流入し、流入したサーチガスを検知する方法です。おもなものは、次のとおり。

・真空外覆法(真空フード法)
 真空外覆法(真空フード法)とは、試験体内部を真空にし、試験体の一部または全体サーチガスで覆い、試験体内部に流入するサーチガスを測定し検出する方法

・真空吹き付け法(スプレー法)
 真空吹き付け法(スプレー法)とは、試験体内部を真空にし、スプレープローブ(スプレーガン)を用いてサーチガスを試験体に吹き付け、試験体内部に流入するサーチガスを検出する方法

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真空外覆法(真空フード法)

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真空吹き付け法(スプレー法)

(2)加圧法(試験体内部からのガス流出法)
 試験体内部にサーチガスを供給(充填)し、漏れがあると試験体の外側へサーチガスが流出します。流出したサーチガスを検知する方法です。おもなものは、次のとおり。

・吸い込み法(スニッファ法)
 試験体内部にサーチガスを充填し、試験体の外側に流出するサーチガスをスニッファプローブで吸い込み、漏れを検出する方法

・吸盤法(サクションカップ法)
 試験体内部にサーチガスを入れ、試験体の外側に流出するサーチガスを押しあてた吸盤(サクションカップ)で吸い込み、漏れを検出する方法

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吸い込み法(スニッファ法)

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吸盤法(サクションカップ法)

・真空容器法(ベルジャー法/チャンバー法)
 サーチガスを充填した試験体を真空容器(チャンバー)内に置き、真空容器(チャンバー)を真空にします。漏れがあると、試験体からサーチガスが流出します。流出したサーチガスを検出する方法

・加圧積分法
 試験体内部にサーチガスを充填し、試験体の一部または全部をフードで覆い一定時間保持します。試験体の外側に流出するサーチガスをフード内に溜め込み、スニッファプローブ(スプレーガン)でサーチガスを検出する方法

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真空容器法(ベルジャー法/チャンバー法)

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加圧積分法

(3)ボンビング法(試験体へのガス流入流出法)
 密閉された試験体の漏れ検査を行うときに使用します。試験体を加圧容器に入れ、加圧容器にサーチガスを充填し、一定時間保持します。試験体に漏れがあるとサーチガスが試験体内部に入ります。その後、試験体を真空容器(チャンバー)に入れ真空排気します。漏れていればサーチガスが試験体内部から流出します。この時、流出するサーチガスを検出する方法です。

漏れ試験には、いろいろな方法がある事がわかりました。
実例を挙げますと、エアコンの漏れ試験の場合には、真空容器法(ベルジャー法/チャンバー法)で検査を行ない、合格品は冷媒を充填した後に、ハロゲンリークテスタで冷媒の漏れの確認をします。
真空容器法で不合格品となったものは、吸い込み法(スニッファ法)で漏れ箇所のチェックをおこない、修正した後に再度、真空容器法で漏れ検出します。

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