真空ポンプの原理と特徴<種類別>
ターボ分子ポンプ
翼を持つ真空ポンプ、高速ターボ分子ポンプとは?
ターボ分子ポンプとは、タービン型の翼をもつロータ(動翼)、およびステータ(固定翼)からなる分子ポンプのことです。近年では性能も向上し頻繁に利用されるようになってきました。
半導体製造装置・蒸着装置・スパッタ装置・分析装置・エッチング装置 加速器・FPD製造装置 などに広く用いられています。
大気中では不可能な高速回転も真空中なら可能!ターボ分子ポンプの特徴
ターボ分子ポンプは、高速回転する動翼と静止したままの固定翼によって作られています。動翼は1秒間で数万回という速度で回転しているため、大気中では動翼にかかる負担(抵抗)によって壊れてしまいます。
よって、ターボ分子ポンプはある程度の真空中で使用する必要があるため、ドライポンプやロータリーポンプのようなフォアポンプが必要となります。
長所 | 分子流領域において、排気速度が一定であり、連続したガス排気が可能。また、再生作業などの保守の必要が無く、引火性・腐食性ガス排気も可能です。 |
短所 | 高速回転であるため安全性に注意が必要 |
高速回転する翼が分子を吹き飛ばすターボ分子ポンプの仕組み
ターボ分子ポンプは、動翼と静翼が交互に配置されています。吸気口に飛び込んできた気体分子は、高速回転する動翼によって運動量を与えられ、下段へ送り込まれます。複数の圧縮段を経ることによって、気体分子は圧縮され排気口へ送り込まれます。