真空ポンプの原理と特徴<種類別>
ダイアフラム型ドライ真空ポンプ
ダイアフラム型ドライ真空ポンプとは?
ダイアフラム型ドライ真空ポンプとは、ダイアフラムの往復運動を利用して排気を行う真空ポンプです。
ダイアフラム真空ポンプと呼ぶこともあります。
油や液体を使用しない、クリーンな真空をつくる
ダイアフラム型ドライ真空ポンプの特長
ダイアフラム型ドライ真空ポンプは、油や液体を使用しない機械式真空ポンプで、特に油蒸気などによる汚染がないクリーンな雰囲気を要求される用途に最適なポンプです。
長所 | オイルを使用していない為、クリーンな排気ができる。 |
短所 | 高真空が得られない。 |
半導体、エレクトロニクス産業からの需要が拡大!
ダイアフラム型ドライ真空ポンプの主な利用分野
近年の半導体製造産業、エレクトロニクス機器産業の急速な発展に伴って、ダイアフラム真空ポンプの需要も拡大傾向を示しています。
たとえば、ICのウェハ吸着装置、真空チャック、フィルム吸着、自動機械、包装機械、光学機械、真空ピンセット、医療用機械、印刷機械など、用途面も広範囲にわたっています。
他にも、真空排気、真空濃縮、ろ過、脱ガス脱泡など ダイアフラム真空ポンプが使われています!
シンプルな構造で気体輸送する仕組み
ダイアフラム型ドライ真空ポンプは、偏芯軸(ロータ)が回転することにより、コネクティングロッドを通じてダイアフラムに動力を伝えます。
偏心回転軸に固定されたステムに取り付けられた隔膜(ダイアフラム)が上下運動を繰り返すことによって、吸気口から排気口へ気体を輸送する仕組みになり、クリーンな排気を実現しています。また、それぞれの口に弁が取り付けられており、常に同じ方向に空気を輸送することができます。隔膜の移動可能量に限界があるため、比較的排気容量の小さいものが多くなります。