真空ポンプの原理と特徴<種類別>
エジェクタ(真空)ポンプ
守備範囲No.1の真空ポンプ
エジェクタポンプは、油拡散ポンプのような蒸気(スチーム)を噴射する仕組みの真空ポンプです。
スチームエジェクタ(真空)ポンプは、産業用では最も守備範囲が広い簡便な真空ポンプであり、機械式の真空ポンプと比べても、その壊れにくさ、安価さなど、様々な利点があります。
ここではオイルエジェクタポンプについて解説してますが、この他にスチームエジェクタ、水エジェクタ等の方式があります。
鋼の真空脱ガス装置、蒸留装置、重合装置 などにエジェクタ(真空)ポンプが使われています!
運動部分が無いため、最も壊れにくいエジェクタポンプの特徴
エジェクタ(真空)ポンプは、作動流体に水蒸気を使用するものをスチーム(蒸気)エジェクタと呼ばれ代表的なポンプ。価格も機械式真空ポンプより安価です。一番の特徴は運動部分が無いことにより、機械式真空ポンプと比べ壊れるリスクがありません。
作動流体に水を用いたポンプもあり、その場合は水エジェクタと呼ばれています。単独での使用はできず、必ずフォアポンプとして油回転真空ポンプなどの併用が必要です。
長所 | 運動する部分が無いため壊れにくい |
短所 | エネルギー効率が低い |
高速噴射で流体を押し込むエジェクタポンプのしくみ
エジェクタポンプは本体、加熱部およびジェット部より構成され、ボイラ内で加熱された作動油は、蒸気となって各段のジェットより高速で噴射します。高真空側の気体は噴射する蒸気中に巻込まれ(拡散)上段のジェット部より下段のジェット部に運ばれ圧縮されながら排気口より補助ポンプ側に排気されます。
噴射した蒸気は本体の内壁で冷却、凝縮されてボイラに戻ります。この作用を繰返しながら排気が行なわれます。