真空ポンプの原理と特徴<種類別>
油拡散真空ポンプ
油蒸気噴流で気体分子を吹き飛ばす油拡散真空ポンプとは
油拡散真空ポンプは、ノズルから噴出する高速、高密度の油蒸気ジェット流で吸気口から 拡散現象で入り込んだ気体分子に排気口に向けた運動量を与えて排気すると共にジェット流が吸気口への気体分子の逆流を妨げます。
FPD製造装置・半導体製造装置・真空蒸留・精製脱ガス・殺菌・乾燥 脱水・消毒など広い分野で製造装置として油拡散ポンプが使われています!
構造はシンプルでも排気性能が高いポンプ油拡散真空ポンプの特徴
油拡散真空ポンプは、油を加熱して蒸気を発生させるためのボイラーと決まったの方向に蒸気を噴射するため傘のように構成されたノズル(ジェット)および蒸気を凝縮する低温な側面によって構成されています。構造が単純であるにも関わらず、大きな排気速度を得ることでも知られています。単独での使用はできず、必ずフォアポンプとして油回転真空ポンプなどの併用が必要です。
長所 | 構造が単純で大きな排気速度が得られる |
短所 | ノズルから高真空側に逆流してくる油蒸気の存在 |
超音速で噴出する蒸気で排気する油拡散真空ポンプのしくみ
油拡散真空ポンプは、本体底部にある油がヒータにより加熱され蒸気となります。その蒸気がジェット部より超音速で噴射することによって、気体は上段のジェットより下段のジェット部に押し込まれるように排気口に運ばれます。蒸気となって噴射した油は本体の内壁で冷却、凝縮された後にもとの油となって加熱部に戻ります。