リークディテクタの基礎知識
HELIOTの歴史 | HELIOTが簡単に誰でも使える理由
HELIOTは開発段階から、簡単に誰でもリークテストができる、ユーザーフレンドリーなディテクタとしてご愛用いただいております。
しかし、HELIOT開発以前のリークテストは、専門知識を持った技術者しかできませんでした。なぜ、HELIOTのリークテストは「簡単に誰でも」が実現しているのでしょうか。
その答えは、HELIOTの中にはアルバック独自(*1)の「簡単に誰でも」を実現するセレクトフリーフローというシステムが採用されているからです。
その仕組みを簡単に説明すると、リークテストの際に吸引した圧力によって、導入するポートを自動で選択するシステムです。
吸引した圧力によって、まず3つのポートを自動選択します。
排気系統図では、この導入ポートがテストバルブ、TVと言う名称で用意され、各ポートは3つのテストバルブに相当します。
TV1: ヘリウム感度が良く、圧力が低い
TV2: ヘリウム感度が中程度、圧力が中程度
TV3: ヘリウム感度が悪く、圧力が高い
ANAがガスを分析する分析官の役割を担い、近ければ近い導入ポートの方が小さな漏れを検知できます。つまり、ヘリウム感度が良くなるイメージです。
ただし、TV1に接続するにはターボポンプへ導入するため、ある程度圧力が低くなくてはターボポンプが壊れてしまう恐れがあります。よって、吸引された圧力によって、導入ポートが選択される仕組みになっています。
ちなみに、HELIOT 900シリーズの各導入ポートのヘリウム測定範囲、ヘリウム導入可能圧力は、それぞれ次の通りです。
TV1: 0.01E-12~-06(Pa・m3/s)/2(Pa)以下
TV2: 0.01E-10~-05(Pa・m3/s)/100(Pa)以下
TV3: 0.01E-08~-03(Pa・m3/s)/1200(Pa)以下
*1: 特許第 2655315 号。現在は公開技術。
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